マイロン・ショールズ氏らが設立
マイロン・ショールズ(Myron Scholes)氏は1973年、故フィッシャー・ブラック氏とオプションの価格モデルを確立した。1997年にノーベル経済学賞を受賞した。
LTCM
1994年に元ソロモン・ブラザーズ副会長らと共に、ヘッジファンドのLTCM(ロングターム・キャピタル・マネジメント)を設立した。1998年にロシア金融危機を引き金に、LTCMは破綻した。世界の金融システムを揺さぶった。
債券裁定型ヘッジファンド
2000年に自前のヘッジファンド「オークヒル・プラチナム・パートナーズ」を立ち上げた。投資ファンド運用の最前線に復帰した。債券裁定型ヘッジファンドの運用を開始した。
株式などの定量・定性分析
オークヒルの運用は、債券市場などの将来を予測する投資手法ではなかった。現状の分析を重視していた。それが特徴だった。
割安や割高といった価格のゆがみを発見したうえで、その価格形成の原因が理解できる場合にのみ投資した。会計基準や税制など制度上の理由から発生する需給の不均衡などに投資機会を求めた。
「割安」「割高」といった価格のゆがみを発見
オークヒルの運用は、債券市場などの将来を予測する投資手法ではなかった。現状の分析を重視していた。それが特徴だった。
割安や割高といった価格のゆがみを発見したうえで、その価格形成の原因が理解できる場合にのみ投資した。会計基準や税制など制度上の理由から発生する需給の不均衡などに投資機会を求めた。
需給バランス
例えば、会計ルールの変更を受けて、欧州の年金基金が長期債を積極的に購入すれば、長期債は短期債に対して割高になる。需給のバランスが元に戻ると判断すれば、投資機会が生まれることになる。
日本代表の名和政剛氏
オークヒルの日本の代表者である名和政剛氏は「理論価格からのかい離があっても、理由が分からないものには投資しない。価格のかい離が続くケースもある」と説明していた。
損失を抑制「運用額の3~4割以下」を目指す
一方で、長期にわたるヘッジファンドの安定運用を目指し、損失額を限定する仕組みを取り入れた。最悪の事態が同時に起こったとしても、損失額を運用額全体の3~4割に抑えられるようにリスクを管理することを目指した。
リスク資産に投資しない残りの部分は、プライムブローカー(ヘッジファンドの運用資産を管理する会社)の与信枠の確保や、組み入れている資産の価格変動などに備えて、キャッシュで保有した。